現金の動きを知るため
貸借対照表と損益計算書では儲けを確認することができるのですが、実際の現金の動きは把握することができません。
というのも「売掛金」というのは、商品を販売、納品した時点で「売上」となるのですが、これだけではお金の動きはなく、この「売上」の代金を回収して始めて、手元にお金が入ってくるということになります。
ですので、「売掛金」が「売上」へと代わり、利益ができるように見えても、実際のところは現金が増えているわけではありませんし、ここで「売上」を現金として回収することができなければ、利益があるけど、現金がないという状況に陥りますし、最悪の場合「売上」が「貸倒損失」となり、会社経営を悪化させてしまう恐れもあります。
これだけならまだしも「売掛金」が回収できていない中で、「買掛金」の支払う期日になってしまったとなると、お金がない中での支払いが生じるわけですから、倒産ということにもなりかねません。
いわゆるこれが「黒字倒産」という状況で、こんなことにはなりたくはありませんよね。
そこで貸借対照表と損益計算書だけでなく、実際の「お金」の動きを把握するための書類が必要で、それがキャッシュフロー計算書になるのです。
キャッシュフロー計算書は、「財務キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「営業キャッシュフロー」の3つの構造になっており、それぞれの欄によって現金の収支が記載されています。
この3つになっているのは「儲け」の3ステップにそっており、「お金を集める」「お金を投資する」「利益を上げる」というようにステップわけされていて、「お金を集める」=「財務キャッシュフロー」、「お金を投資する」=「投資キャッシュフロー」、「利益を上げる」=「営業キャッシュフロー」となっています。