財務3表マスター

会計の仕組みを知るなら、財務3表に取り組め!

伸びる会社の見抜き方

決算書は会社の成績表のようなもの。 B/Sからわかるのは、企業の安全性、収益性、成長性の3つで、自己資本比率はまず第一の安全性の指標で、会社が持っている資産のうち、株主の持ち分がどのくらいあるのかを示す割合なので、この自己資本比率が低い場合、借金の返済や利息が収益を圧迫する可能性があります。

日本の全企業の平均からすると、資産総額の3分の1の自己資本があるとおおむね財務体質に問題はなく、40%以上あれば理想ラインだともいわれています。

自己資本利益率ROE)と総資産利益率ROA)は、収益性を判断する指標で、ROE当期純利益÷自己資本(期中平均)×100で計算するのですが、このときの自己資本は期首と期末の平均値を利用します。

というのも、当期純利益は当期首から当期末までの1年間で稼ぎ出した利益なので、自己資本も当期首と当期末の平均値を利用したほうがより実態に近くなるわけで、これと同じ理由でROAの総資産も期首と期末の平均を利用します。

ROE自己資本を利用してどれだけの利益を上げたかを表す数値であり、この数値が高いほど株主の投資効率が高く、ROAは総資産を活用しいかに効率よく利益を上げているかを示す指標ですので、上場企業の合格ラインはROEが10%以上、ROAは8%以上が目安となっています。

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そして純資産成長率は成長性を判断する指標で目安は3%以上。

P/Lでは主に収益性が判断でき、売上高成長率は過去5年程度の数値の変化に着目し、伸びているかをチェックするようにしましょう。

総資産回転率は、資産の何倍の売上高があるかを示し高いほど良く、営業利益率は、企業の稼ぐ力を示しています。

C/Fでは主に安全性を確認できるが、3つのC/Fのうち最も重要なのは、営業C/F。 健全な企業では営業C/Fの金額よりも当期純利益が低いのが一般的。 「当期純利益のほうが多い場合には余剰在庫を抱えていたり、不良債権が多いなどの可能性があります」

投資C/Fは設備投資や株式投資をした場合にマイナスで現れ、そのため、マイナスになっているほうが積極的に投資をしている企業と言えます。

また、営業C/Fと投資C/Fを足したものをフリーC/Fと呼び、これがプラスの場合は投資に現金を使っていても、それ以上の現金を営業C/Fで稼ぎ出していることを意味します。