財務3表マスター

会計の仕組みを知るなら、財務3表に取り組め!

日本独自の会計基準と異なるIFRS

財務3表というのは、日本独自の会計基準を前提にしたものですから、世界では通用しません。

現在、日本企業では主に3つの会計基準が使われていて、さきほどの日本基準の会計、米国基準の会計、そして今、話題となっている国際財務報告基準であるIFRS=International Financial Reporting Standards。

会計 IFRSは「イファース」というのですが、この基準は、2000年、証券監督者国際機構(IOSCO)が支持を表明したのを機に、ヨーロッパを起点として世界各国へ広まり、現在では約130カ国で正式な会計基準として採用されています。

これまで貿易など国境を越えたビジネスであっても、それぞれの国や地域ごとに異なった会計基準が運用されていたのですが、経済活動のグローバル化に伴い、ある一定の会計基準で統一する必要性が高まり、財務諸表においては会計基準が異なっていると比較可能性を確保できないことも多く、国境を越えた会計基準が必要だということになり、IFRSが策定されることになりました。

とはいえ、大きな経済規模を持つ主要国の中で、未だ IFRSを導入していないのはアメリカと日本だけで、その日本も2015年には上場企業全てがIFRSを用いることが義務化されるように制度が変更される予定だったのですが、震災の影響やアメリカのIFRS移行が遅れていることを受け、結局2015年に強制適用されることはありませんでした。

さて、日本基準との違いなのですが、日本基準が損益計算書重視であるのに対し、IFRS貸借対照表を重視しているといわれていて、日本基準においては一定期間の損益の明示が重視されますが、IFRSは将来キャッシュフローの現在価値を示すことを重視されています。

創刊70周年記念「会計川柳」を募集

週刊「経営財務」創刊70周年記念「会計川柳」の募集を開始。

週刊「経営財務」は日本で唯一の企業会計と企業財務の専門週刊誌で、今や会計は、すべてのビジネスパーソンにとって注目度の最も高い分野のひとつで、情報の重要度も会社経営においてはトップクラスといってもいいでしょう。

この週刊経営財務は、半世紀以上も前から会計分野に専門特化し、刊誌形態で情報提供し続けてきた日本で唯一の雑誌媒体で、現在ではインターネットの普及もあってか、電子版やスマホアプリなども登場しています。

さて、今回の「会計川柳」については、2019年春に創刊70周年を迎えたということで、会計に関する思いを5・7・5に託して応募するのだとか。

会計川柳募集
会計川柳募集

応募期間は、2020年1月31日までとなっており、作品応募点数に限りはなく、最優秀作品には賞品として図書カード10万円分を贈呈されるほか、以下のようになっています。

賞品

  • 最優秀作品(1本)・・・図書カード10万円分
  • 優秀作品 (10本)・・・図書カード5千円分
週刊「経営財務」創刊70周年記念
  • 特別審査員賞(1本)・図書カード1万円分
  • 編集長賞(1本)・・・図書カード1万円分

賞品の発送はホームページでの発表にあわせて行われるそうで、どのような川柳が集まるのかとても楽しみですね。

なお、応募された川柳についての著作権は税務研究会に帰属するようで、株式会社税務研究会が発行する媒体をはじめ、各種媒体に掲載される場合があるのだそうですよ。

現金の動きを知るため

貸借対照表損益計算書では儲けを確認することができるのですが、実際の現金の動きは把握することができません。

というのも「売掛金」というのは、商品を販売、納品した時点で「売上」となるのですが、これだけではお金の動きはなく、この「売上」の代金を回収して始めて、手元にお金が入ってくるということになります。

キャッシュフロー
キャッシュフロー

ですので、「売掛金」が「売上」へと代わり、利益ができるように見えても、実際のところは現金が増えているわけではありませんし、ここで「売上」を現金として回収することができなければ、利益があるけど、現金がないという状況に陥りますし、最悪の場合「売上」が「貸倒損失」となり、会社経営を悪化させてしまう恐れもあります。

これだけならまだしも「売掛金」が回収できていない中で、「買掛金」の支払う期日になってしまったとなると、お金がない中での支払いが生じるわけですから、倒産ということにもなりかねません。

いわゆるこれが「黒字倒産」という状況で、こんなことにはなりたくはありませんよね。

そこで貸借対照表損益計算書だけでなく、実際の「お金」の動きを把握するための書類が必要で、それがキャッシュフロー計算書になるのです。

キャッシュフロー計算書は、「財務キャッシュフロー」「投資キャッシュフロー」「営業キャッシュフロー」の3つの構造になっており、それぞれの欄によって現金の収支が記載されています。

この3つになっているのは「儲け」の3ステップにそっており、「お金を集める」「お金を投資する」「利益を上げる」というようにステップわけされていて、「お金を集める」=「財務キャッシュフロー」、「お金を投資する」=「投資キャッシュフロー」、「利益を上げる」=「営業キャッシュフロー」となっています。